51+oOGZ01lL

【アカデミー作品賞受賞】「スポットライト」のような“世紀のスクープ”を描いた作品8選

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

今年度第88回アカデミー賞で、並み居る強豪作品の中から作品賞・脚本賞を勝ち取った「スポットライト 世紀のスクープ」!宗教界のタブーと闘いながらスクープを追ったジャーナリストたちを主人公とするこの作品と同じように、実話に基づいてメディアのスクープやジャーナリズムを描いた映画作品を新旧8作取り上げてみました。今も昔もジャーナリストたちが“真実”にかける熱い思いは同じです!

①市民ケーン(1941)

51+oOGZ01lL

市民ケーン(Citizen Kane) [BD 3D/2D版]劇場版(4:3)【超高画質名作映画シリーズ23】 デジタルリマスター版
メディアディスク
https://www.amazon.co.jp/%E5%B8%82%E6%B0%91%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%B3-Citizen-Kane-%EF%BC%BBBD-2D%E7%89%88%EF%BC%BD%E5%8A%87%E5%A0%B4%E7%89%88%EF%BC%884%EF%BC%9A3%EF%BC%89%E3%80%90%E8%B6%85%E9%AB%98%E7%94%BB%E8%B3%AA%E5%90%8D%E4%BD%9C%E6%98%A0%E7%94%BB%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA23%E3%80%91-%E3%83%87%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%83%AB%E3%83%AA%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E7%89%88/dp/B019FQ2CC8?ie=UTF8&tag=iremono05-22

実在のメディア王・ハーストがモデル!「世界映画史上ベストワン」と評価され続ける古典的傑作

オーソン・ウェルズの初監督作品で、脚本・製作・主演の四役を務め、緻密な構成の脚本やのちの映画界に影響を与えた革新的な撮影方法などが長年評価され続けている古典映画の名作です。
この物語は、アメリカに実在し、一大メディア産業を築いた「ハースト・コーポレーション」の創業者、ウィリアム・ランドルフ・ハーストをモデルとしたチャールズ・フォスター・ケーンが主人公であり、その生涯を周りの関係者から明らかにしていく構成となっています。
モデルとなったハーストの生涯と符合していくのは、「イエロー・ジャーナリズム」と呼ばれたセンセーショナリズムによる新聞での民意の扇動や知事出馬などの政治活動、そして知事選前日のスクープによる落選―メディアを創り、それを使って人々を扇動し、そして自らもそれに踊らされた人生を巧みに表現した傑作です。

https://www.youtube.com/watch?v=iodPh-dfen4&feature=youtu.be
https://www.youtube.com/watch?v=iodPh-dfen4&feature=youtu.be

【虚構のジャーナリズムに挑む】

第14回アカデミー賞では作品賞など9部門にノミネートされながらも、受賞したのは脚本賞のみでしたが、実はこれは、ハーストが作品内容を不服とし、映画の公開や受賞の妨害工作を行ったからだったということが、のちに判明しています。
数々の妨害に屈せず、信念を曲げずにこの作品を世に出し、後年正当に評価されたオーソン・ウェルズは、まさに虚構のジャーナリズムに対しての闘いを挑んだ最初の映画人でした。
作中のケーンの政界に進出を目指してのスピーチには、この作品にかけるウェルズの力強い演技がみなぎっています。


https://www.youtube.com/watch?v=uNaDrnxp3L0&feature=youtu.be

②大統領の陰謀(1976)

512ZsLzHMlL

大統領の陰謀 [Blu-ray]
ワーナー・ホーム・ビデオ
https://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98%E3%81%AE%E9%99%B0%E8%AC%80-Blu-ray-%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%89/dp/B004PLO5MO?ie=UTF8&tag=iremono05-22

ウォーターゲート事件の真相!ワシントン・ポストの若き二人の記者が挑んだ世紀のスクープ!

アラン・J・パクラ監督による「ウォーターゲート事件」の真相に迫るドキュメンタリー・タッチの社会派ドラマで、事件を取材した記者の手記を元に制作されました。
主演はロバート・レッドフォード、ダスティン・ホフマンで、ワシントン・ポスト紙の新人記者ボブ・ウッドワードと先輩記者カール・バーンスタインをそれぞれ演じています。
二人がコンビを組んで追ったスクープは、時の大統領ニクソンを辞職に追い込んだ「世紀の大スクープ」でした。
ワシントン・ポスト紙の協力や、初めとラストに実際のニュース映像を使っていることが、よりリアルさを際立たせています。
第49回アカデミー賞では8部門にノミネートされ、ジェイソン・ロバーズが助演男優賞を受賞したほか、脚色・録音・美術賞を受賞しています。


https://www.youtube.com/watch?v=aHgmSYZtUls&feature=youtu.be

【ウォーターゲート事件とディープスロート】

「ウォーターゲート事件」とは、1972年に始まった、ニクソン大統領の政敵・民主党本部があるウォーターゲート・ビルへの侵入・盗聴未遂が発端となったスキャンダルで、ワシントン・ポスト紙の取材で次々と明るみになった司法妨害・証拠隠滅などの証拠から、議会の大統領弾劾の動きまでに発展し、ニクソンが大統領辞任に追い込まれるまでの一連の流れを指しています。
「ウッドスタイン」コンビの粘り強い取材姿勢、そしてスクープへの執念が一国の大統領の不正を暴いたという事実には感嘆します!
ウッドワードが頼りとする「大統領に非常に近い情報源」である“ディープ・スロート”と会話する緊迫したシーンが印象的ですが、この人物がいなければ、このスクープは成しえなかったとも言えます。
当時は正体不明でしたが、のちに事件当時FBI副長官であったマーク・フェルトであったことが明らかになりました。


https://www.youtube.com/watch?v=zZi8n49RMGE&feature=youtu.be

③チャイナ・シンドローム(1979)

51Tqd+rMLUL

チャイナ・シンドローム コレクターズ・エディション [DVD]
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%A0-%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%82%AF%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3-DVD-%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%B3%E3%83%80/dp/B003XKRTQW?ie=UTF8&tag=iremono05-22

スリーマイル島原発事故を予見!?“原発安全神話”の崩壊をスクープした必見の名作!

ジェームズ・ブリッジス監督による社会派サスペンスで、製作はマイケル・ダグラス、主演の「ジェーン・フォンダ」、「ジャック・レモン」、「マイケル・ダグラス」の三人がそれぞれ、テレビリポーターのキンバリー・ウェルズ、原発技師のジャック・ゴデル、テレビカメラマンのリチャード・アダムスを演じています。
原子力発電所のドキュメンタリー特番の取材中に遭遇したトラブルから深刻な原発事故が起こるかもしれない事態に直面したキンバリーとリチャードは、その真実を報道しようとしますが、原発管理者たちはその安全性を妄信しており、技師のゴデルの「危機的状況である」という訴えすら取り合いません。
その上事実を隠蔽し検査も行わず、やがて大惨事寸前という事態に陥ってしまいます!
第52回アカデミー賞では、原発の事故を必死で未然に防ごうとするゴデルを熱演したジャック・レモンが主演男優賞にノミネートされましたが、惜しくも受賞には至りませんでした。
この作品はほかにも脚本・美術賞にもノミネートされています。


https://www.youtube.com/watch?v=_yfP2sI_TUk&feature=youtu.be

【スリーマイル島原発事故と“チャイナ・シンドローム”】

この作品だけ、このリストの中では実話を基にした映画ではありませんが、実際に“メルトダウン”にを起こした「スリーマイル島原発事故」を予見したような内容で、世間に衝撃を与えた作品です。
本作が公開されたのは1979年3月16日、スリーマイルの事故が起こったのは、そのわずか12日後!あたかもこの映画が影響を与えてこの事故を誘発したかのような“陰謀説”すら流れたりしましたが、それだけこの作品の公開がタイムリーだったと言えます。
タイトルの「チャイナ・シンドローム」とは、当時原子力技術者の間で囁かれていたブラック・ジョークで、もしアメリカでメルトダウン(融解)するような原発事故が起きたら、“メルトスルー”という地球の反対側の中国まで到達するような核燃料漏出を起こすのではないか?というものです。
現実的にはあり得ないものの、この映画の公開とスリーマイル事故の衝撃により、「~シンドローム」という医学用語は一般的に使われるようになり、メルトダウンやメルトスルーという原発用語も広く知られるようになりました。


https://www.youtube.com/watch?v=lNDCAdUEsuY&feature=youtu.be

④トーク・レディオ(1988)

51+fC9MZ8YL

トーク・レディオ [DVD]
アルバトロス
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AA-DVD-%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%9C%E3%82%B4%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%83%B3/dp/B000N6SPBC?ie=UTF8&tag=iremono05-22

アメリカ社会の矛盾を毒舌で斬る!実在のラジオ・パーソナリティ、アラン・バーグ殺害事件を描く!

アメリカ・コロラド州デンバーのユダヤ系ラジオ・パーソナリティであるアラン・バーグが、白人愛国者集団“The Order”によって殺害された事件をテーマとしたスティーブン・シンギュラーの著作を原作とし、エリック・ボゴシアンが舞台化したものを脚本に起こし映画化した作品で、監督はオリバー・ストーン、エリック・ボゴシアンがアラン・バーグをモデルとしたユダヤ人パーソナリティのバリー・シャンプレーンを演じています。
アラン・バーグのラジオ番組名「トーク・レディオ・ショウ」が映画のタイトルとなっています。
テキサス州ダラスの人気ラジオ番組「ナイトトーク」のパーソナリティを務めるバリーは、その鋭い毒舌で様々なリスナーの相談に乗っては、アメリカ社会の矛盾に怒りをぶつけ、弁舌をふるっていましたが、人気を集める反面、敵意を抱くリスナーもいました。
そんな中、彼に番組の全国ネット化の話と、ある悲劇が襲い掛かります…!


https://www.youtube.com/watch?v=RYFd0BMPS6o&feature=youtu.be

【草の根単位のスクープとバリーのモノローグ】

マスメディアと視聴者との関係性をシニカルに描いたオリバー・ストーン監督の作品と言えば「ナチュラル・ボーン・キラーズ」を思い出しますが、本作はそれよりもっと抑えた表現方法で、舞台もほぼラジオ局のみというシンプルさ、けれど画面構成は凝っており、特にボゴジアンのトークを強調して作られている点が、テーマの焦点をぼやかすことなくダイレクトに伝えています。
一番印象深いシーンは、この6分半にもおよぶバリーのモノローグ!ここには、彼が経験してきた“マスメディアのパワーと危険性”への想いが全てぶち込まれており、その語り口の力強さとともに哀しさを猛烈に感じることができます。
今やブログやツイッター、SNSなどで自らマスメディアに参画できる双方向性の高い時代になりましたが、実はラジオというメディアは昔も今も変わらず双方向性の高いメディアとして、草の根単位で社会のスクープを届け続けています。
実名でマスメディアにさらされ、不特定多数からの悪意を一身に受けることの恐怖を描いた秀作です!

https://www.youtube.com/watch?v=QyHoXl_5QOw&feature=youtu.be
https://www.youtube.com/watch?v=QyHoXl_5QOw&feature=youtu.be

⑤インサイダー(1999)

41X60EWPSGL

インサイダー [DVD]
ポニーキャニオン
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%80%E3%83%BC-DVD-%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%91%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%8E/dp/B00005HTVA?ie=UTF8&tag=iremono05-22

タバコ産業の不正を内部告発!B&W社の調査データ改ざんをスクープした実話!

マイケル・マン監督による社会派ドラマで、実際に起きたアメリカのタバコ産業の実情を暴いた大スクープを、その内部告発者に起きた実話を基に描いています。
主人公となるテレビ・プロデューサーのローウェル・バーグマンをアル・パチーノ、内部告発者で大手タバコメーカーB&W社副社長のジェフリー・ワイガントをラッセル・クロウ、そしてその不正を報道しようとするキャスターのマイク・ウォレスをクリストファー・プラマーが演じています。
CBSのドキュメンタリー番組「60 Minutes」に届けられた匿名の告発書から明らかになったB&W社の不正を、そのプロデューサーのバーグマンとキャスターのウォレスが報道で暴こうと、匿名の人物=ワイガントにインタビュー出演を依頼しますが、彼は社内の圧力や脅迫に思い悩むことに…しかもCBS上層部の及び腰により、インタビューはカットされる憂き目にあってしまいます!


https://www.youtube.com/watch?v=AjdRtxc8RIE&feature=youtu.be

【ワイガントのインタビューとマイク・ウォレスのキャスター魂】

このスクープは、タバコ産業の利益だけのために人体に有害な物質を加え、不正を行っていたB&W社を内部告発したことで知られる、世間を大きく揺るがした事件でしたが、プロデューサーのバーグマンは、この渦中で番組を降ろされてしまいます。
それでも彼が最後まであきらめず、この不正を公開できたのは、マイク・ウォレスのキャスターとしての意地やバーグマン自身のジャーナリスト魂を深く揺さぶった事件であり、ワイガントとのやり取りや境遇にも奮起したからでしょうか。
一度はカットされたワイガントのインタビューですが、のちにバーグマンの働きにより、放映されることになります。
大企業の圧力=権力との闘いはいつの時代でもジャーナリズムの大きなテーマの一つです。


https://www.youtube.com/watch?v=nPlUxN3y4dw&feature=youtu.be

⑥ニュースの天才(2003)

51aShNWsf4L

ニュースの天才 (字幕版)
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B00G8A8RM4?ie=UTF8&tag=iremono05-22

記者が記事ねつ造!?ニュースを伝えるべき者がニュースになってしまった驚きの真相!

ビリー・レイ監督による事実を基にした社会派ドラマで、実在の人気ジャーナリスト、スティーブン・グラスの記事ねつ造事件を描いています。
製作にトム・クルーズが名を連ね、グラスを「スター・ウォーズ」シリーズのアナキン役で知られるヘイデン・クリステンセンが演じています。
1998年に発覚したグラスの記事ねつ造事件は全米に衝撃を与えました。
まずグラスがアメリカで最も権威ある政治雑誌の一つ「ニュー・リパブリック」の若手人気記者であったことと、ねつ造が発覚した記事が27本もあったことが驚きです!
若干24歳のグラスは「ニュー・リパブリック」でも最年少記者で、すぐにスクープを次々とモノにして頭角を現します。
しかしライバル他誌による調査と追及の結果、グラスの記事にねつ造の疑いがかかっていき…真実を伝えるべきジャーナリストが、創作記事を書き続けてしまったことに、信じられない気持ちと憤りを覚える作品です。


https://www.youtube.com/watch?v=Gd9IcvxpzNs&feature=youtu.be

【“砕け散ったガラス”=Shattered Glass】

原題は“Shattered Glass”で、グラス=Glassの記者人生が自らの過ちでガラスのように粉々に砕け散った様を示しています。
物語の中盤で、ねつ造の疑いをかけられたグラスを同僚たちが気遣いかばう場面がありますが、取材でガセネタをつかまされるということも多々ある業界であることを再認識させられるとともに、常に客観性を求められるべきジャーナリズムの世界の“虚構”と“嘘”を垣間見たような不信感に襲われます。
意外にもあり得ないことがあり得る世界なのですね!
この作品の唯一の救いは、グラスを解雇することになる新編集長のチャックで、登場人物の中では一番良識のある人物として描かれています。
何よりチャックを演じたピーター・サースガードの演技が素晴らしく、こういう上司なら安心して従いたいと思わせる説得力があります。


https://www.youtube.com/watch?v=zE5a98e15AU&feature=youtu.be

⑦グッドナイト&グッドラック(2005)

51WQ7MPK7RL

グッドナイト&グッドラック 通常版 [DVD]
東北新社
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B0%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%88-%E3%82%B0%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF-%E9%80%9A%E5%B8%B8%E7%89%88-DVD-%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%BC/dp/B000HWXTSG?ie=UTF8&tag=iremono05-22

“赤狩り”に真っ向から立ち向かったキャスター、エド・マローの闘いを描く!

監督・脚本・出演をジョージ・クルーニーが務めたノンフィクション・ドラマで、1950年代に活躍したCBSのニュースキャスター、エドワード・R・マロ―がジャーナリズムにも吹き荒れた“赤狩り”=マッカーシズムの脅威に真摯に立ち向かう姿を全編モノクロで描いています。
マロ―を演じたのはデヴィッド・ストラザーンで、ジョージ・クルーニーは番組のプロデューサー、フレッド・フレンドリーを演じています。
第78回アカデミー賞では、作品・監督・主演男優・脚本・撮影・美術賞の6部門にノミネートされました。


https://www.youtube.com/watch?v=FbYWPVzt6Ds&feature=youtu.be

【マッカーシズムとマローのスピーチ】

1950年代はテレビの黎明期であり、ソ連率いる東側の共産主義国とアメリカ率いる西側の民主主義国との東西冷戦の時代であり、アメリカでは共産主義者を告発して吊し上げる“赤狩り”が猛威を振るっていました。
赤狩りを始めたのはマッカーシー上院議員で、それ故に“マッカーシズム”と呼ばれるようになりました。
マッカーシズムは軍隊にも、ハリウッドにも、そしてジャーナリズムの世界にも吹き荒れ、少しでも異を唱える者は、たちまち“共産主義者”のレッテルを貼られました。
マロ―が自分のニュース番組「シー・イット・ナウ」で取り上げたのは、ある空軍兵士の赤狩りによる除隊処分の真相で、放送後の反響に対して、マッカーシーからの反論とCBS会長からの圧力が始まります。
報道番組制作者協会のパーティでのマロ―のスピーチには、テレビ業界の未来と言論の自由を憂う言葉で満ち溢れ、最後は静かに「おやすみなさい、そして幸運を」(“Everybody, good night and good luck”=タイトルにもなっているマロ―の番組での挨拶)と締めくくっています。


https://www.youtube.com/watch?v=I6b3KjKqNf8&feature=youtu.be

⑧スポットライト 世紀のスクープ(2015)

514E0u50hNL

スポットライト 世紀のスクープ [Blu-ray]
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88-%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%81%AE%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%97%E3%80%90DVD%E5%8C%96%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%80%91-Blu-ray/dp/B01BBZ8XO2?ie=UTF8&tag=iremono05-22

闇を照らす一筋の光!カトリック教会の闇を暴き出した“世紀のスクープ”とは?

カトリック教会が組織ぐるみで隠ぺいしてきた「児童への性的虐待」の事実を、アメリカ・ボストンの新聞社「ボストン・グローブ」紙がスクープしたという実話を取り上げた社会派ヒューマン・ドラマです。
監督・脚本はピクサー作品「カールじいさんの空飛ぶ家」の脚本を手掛けアカデミー脚本賞にノミネートされたトム・マッカーシーで、本作では見事脚本賞を受賞しています。
主な出演者は、ボストン・グローブ紙の編集局長バロンをリーヴ・シュレイバー、部長ブラッドリーをジョン・スラッテリー、スクープを追う「スポットライト」チームのリーダーであるロビーをマイケル・キートン、行動派の熱血記者マイクをマーク・ラファロ、チームの紅一点サーシャをレイチェル・マクアダムス、データ分析担当キャロルをブライアン・ダーシー・ジェームズが演じています。
第88回アカデミー賞では、マーク・ラファロが助演男優賞、レイチェル・マクアダムスが助演女優賞、そのほか作品・監督・脚本・編集賞と計6部門ノミネートされ、作品賞と脚本賞のダブル受賞を果たしています!


https://www.youtube.com/watch?v=h8TwCzA59Lg&feature=youtu.be

【スポットライト・チームとカトリック教会】

“スポットライト”とはボストン・グローブ紙の特集記事欄のことで、その調査を担当するのが「スポットライト」チームです。
独自の極秘調査と地道で粘り強い取材を得意とする剛腕の記者たち4人が、ボストン・グローブ紙の半数以上の購読者がカトリック信者である敬虔な信仰地域であるボストンで、教会の圧倒的な権力に屈せず、“事実を事実として公表する”ことに執念を燃やす、硬派なジャーナリストたちの物語です。
部長とチームの会話の中で、「これを記事にした場合、責任は誰が取る?」「では、記事にしない場合の責任は?」とありますが、この言葉が彼らの“記者魂”の全てを物語っています!
こちらの動画では、マイケル・キートンが実際に記者たちに会って演技を構成していった話を語っています。
また、カトリック教会内の闇を暴かれた、カトリックの総本山であるバチカンの反応は意外にもこの作品を「誠実」であるとコメントし、アメリカのカトリック教会が罪を受け入れ公表し、責任を取れるように促したのはこの報道の“真実”の力だったと述べています。
「スポットライト」が報道した“世紀のスクープ”は、2003年にピューリッツァー賞の公益部門を受賞しています!


https://www.youtube.com/watch?v=5TLRNC6_7nw&feature=youtu.be

まとめ―真のジャーナリズムとは?

腐敗と誤報と扇動をもって人心を揺るがす時もあれば、称賛と栄誉とそして“真実”を得て感動を届ける場合もあるジャーナリズムの世界―いつの世でも真のジャーナリストたちが願うのは、善悪を決めつけることではなく、ただ真実を明らかにしたい、それだけだと思います。
権力による圧力や隠ぺいと闘うことと真実を伝えることは相反するもので、これからもジャーナリストたちに課されていく重い責任ではありますが、それを明らかにし公表できた時の爽快感・達成感はなにものにも代えがたいでしょう。
こうした作品を見て、少しでもそれを共感できたら、日々なんとなく見聞きしているニュースにも敏感に反応できるかもしれませんね!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

Findyの最新情報をお届けします