ベジタリアンはただの食生活ではない!ロンドンから学ぶ食文化

南アジア(インドなど)では、宗教上(ヒンドゥー教や仏教など)の理由によりベジタリアン人口は減少しているが、他方で欧米においては、環境保護や動物愛護の観点に加え、禁輸危機に金融危機以降の景気低迷や、新興国の経済成長を背景にした食肉価格の高騰、健康志向の高まりなどを背景にベジタリアン人口が増加傾向にあります。もともと、環境保護や動物愛護といった倫理的な理由に由来するものであった。英国においては近年、健康志向の高まりや、食育の普及、メディアなどの影響によりベジタリアンに対して抱かれる一般的なイメージが変わったこと、ベジタリアン向け食品のバラエティーが増えたこと、更にはインターネットの普及により情報取得が手軽になったことで、ベジタリアンはかつてより身近な存在となっています。

◆ベジタリアンとなる要因

ベジタリアンになる要因としては、主に下記の内容が挙げられます。

1-1:倫理的理由(動物愛護、環境保護など)

英国は動物愛護が世界で最も進んだ国のひとつであり、家畜を含む動物の愛護や権利保全、環境保護に対する意識が高く、日本と比較すると基準の高い規制が定められています。また、動物愛護団体や環境保護団体などの活動も盛んであり、これらの団体が国の政策やメディアに与える影響も小さくありません。ドイツでビーガン4専門の小売店を展開し、英国への進出も予定しているビーガンズの従業員は、ビーガンになった理由として、「食肉にされる家畜の悲惨な状況をテレビで目にし『動物を食べる必要があるのか』と自問した結果、ビーガンになることを選んだ」と言われています。このように、欧米では倫理上の理由からベジタリアンを選ぶ消費者が少なからず存在しおり、近年は、大手スーパーなどでも動物保護に配慮した商品を積極的に店頭に並べる傾向が出てきています。英国ベジタリアン協会も、ベジタリアンを推奨する理由として、「魚や家畜を含め、全ての生き物は痛みを感じるものであり、動物性食品を取らないことは動物愛護を通じるとの考え方に賛同できる」との見解を伝えています。

1-2:健康志向
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